田舎で暮らすことになり、始まった家探し
最終的に選んだのは、中古の一戸建て。少し古いけれど、全ての部屋はもちろん、お風呂や洗面所、キッチン、トイレに至るまで窓があるという、まさに“光と風が通り抜ける家”でした。
都会のマンション暮らしでは、窓のないお風呂やトイレに、息が詰まりそうな感覚があったので、これは大きな魅力ポイントでした。
周囲には高い建物もなく、陽射しを妨げるものが何もない。
他の物件とは、ご縁が無く、この家に決めました。
住み始めたのは春。
想像通り、毎朝カーテン越しに差し込む柔らかな光と、自然に吹き抜ける風が心地よく、気持ちまで晴れやかに。
「こんなに気持ちのいい朝があるんだ」と、何度も感動したものです。
でも、そんな幸せな気持ちも、夏が近づくにつれて徐々に変わっていきました。
夏の現実:虫、虫、虫…!
5月の終わりから気温がグッと上がり始め、6月には扇風機だけでは追いつかない暑さに。
7月、8月、9月は、クーラーなしでは暮らせないほどに暑くなり、電気代も跳ね上がりました。
夕暮れ時、「自然の風で涼みたい」そう思って窓を開けたくなります。
が、そこには落とし穴が。
田舎の夏は、虫との戦いです。
うっかり窓を開けてしまえば、夜には大量の虫が家の中に侵入して大騒ぎ。
もちろん網戸は付いてます。
それでも、わずかな隙間から、侵入してくるのです。
一度、リビングの照明に無数の虫が群がったときは、家中がパニックになりました。
さらに、洗濯機が庭にあるため、夏場の洗濯は、ヤブ蚊が襲って来ます。
ミントスプレーやキンチョールで防御しながら、短期決戦で洗濯を終える毎日です。
冬の現実:暖房なしでは耐えられない寒さ
そして11月、まだ秋だというのに、2階の部屋は暖房なしではとても過ごせない寒さに。
暖かい空気は上に逃げるとはいえ、窓が多い分、冷気も入り放題。
現在は節約のため、1階の部屋だけを使って過ごしています。
そして脱衣所やトイレは、寒暖差が激しく、ヒートショックのリスクも。
ヒーターの設置を本気で検討中です。
意外な出費:町内会費と建設費分担金
もうひとつ、田舎暮らしで驚いたのが町内会費。
都会に住んでいた頃は年間3,600円だったのに、ここではなんと15,000円。
人口が減少している地域なので、ゴミの収集などのサービスを受けようと思うと、一人当たりの負担額は高くなるのは、ある意味仕方のない事かもしれません。
でも、もっと驚いたことがあります。
私達が引っ越してきた時には、すでに建っていた町内会の集会所があります。
この町内会の集会所の、建設費の分担金まで請求されたのです。
結果、トータル3万円の出費に。
これには正直、想定外すぎて驚きました。
それでもこの家を選んでよかった理由
虫も寒さも、出費も、確かに大変。
でも、それらを差し引いても「この家にしてよかった」と思える瞬間がたくさんあります。
窓辺からは、美しい自然が見られます。
・夜明け前、空が次第に色合いを増しながら、朝日を迎えていく、壮大なひと時。
・昼下がり、風に乗って舞う、鳥や蝶たち。
・夕方、沈みゆく太陽が、海に描き出す黄金のきらめき。
・日没後、赤く染まった空。
・夜、窓辺に集まる虫を狙って、姿を現すヤモリやカエル達のユーモラスな声や姿。
こうした一つひとつが、心を豊かにしてくれます。
まとめ:田舎暮らしの「陽当たり抜群物件」を選ぶ前に知っておきたいこと
田舎の陽当たり抜群物件には、多くのメリットがあります。
でも、それと同時に「虫・寒さ・意外な出費」といった現実も存在します。
これから田舎暮らしを検討している方は、夢を描くのと同時に、「夏と冬の過ごし方」や「地域コミュニティの状況」についても事前に調べておくと安心です。
私自身は、ビックリな事もありますが、それでもこの家に大満足。
季節と共に生きることの豊かさを、日々感じています。

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