【移住の決め手は“窓だらけの家”】
都会を離れて田舎に引っ越すと決めたとき、私たちはたくさんの物件を内見しました。
でもなかなか「ここだ」と思える家には出会えずにいたのです。
そんな中、ご縁に恵まれて出会えたのが、全室に窓がある中古一戸建ての家。
お風呂、トイレ、キッチンにまで自然光が入り、風が通り抜ける設計。
光と風が入る家を求めていたので、まるで家に導かれたような不思議な感覚でした。
住み始めたのは春。
毎朝、柔らかな光と風で目が覚める暮らしが始まりました。
【想像以上の「良かったこと」】
田舎暮らしの良さは、自然の美しさを日常的に感じられること。
朝焼けや夕焼け、鳥や虫たちの姿、月と星が輝く夜空…。
それらが「自然の美術館」とでも呼びたくなるほど、心を満たしてくれます。
また、ご近所さんが野菜や果物をお裾分けしてくださることも多いです。
都会とは、また違った種類の、人の温かさに、何度も助けられました。
時間の流れも穏やかで、無理をしなくていい暮らしが、心と体をゆっくり解きほぐしてくれたように感じています。
実際に、持病のある家族は、引越した後の方が、元気に見えます。
【住んでみて初めて気づいた“リアル”】
でも、そんな田舎暮らしにも「住んでみて初めてわかる」現実があります。
まずは夏の虫問題。
自然が豊かということは、虫も多いということ。
蚊、蛾、甲虫など、羽のある小さな虫たちが、光に引き寄せられて家の中に入ってくるのです。
網戸は使っていますが、それでも、わずかな隙間からでも入り込むので、夏に窓は開けられませんん。
さらに冬の寒さ。
窓が多い家は、外気と接する面が多い分、冷えやすくもあります。
2階は特に冷え込むため、私たちは冬の間は1階中心の生活に切り替えました。
【意外な盲点だった「町内会費と分担金の負担」】
もうひとつ驚いたのが、町内会費の高さ。
以前の都会の暮らしでは年3,600円だったのが、ここでは15,000円。
人口が少ない地域では、ひとり当たりの負担が大きくなるとは聞いていましたが、ビックリでした。
しかも、私たちが引っ越してくる前に建てられていた「町内集会所」の建設費についても、分担金を請求されました。
これはまったくの想定外で、その為のお金も用意していなかったので、困ってしまいました。
【医療面の環境も考慮をお忘れなく】
そして、田舎暮らしで無視できないのが「医療機関の少なさ」です。
私の家族は病気をかかえているため、引越しを決める前に、医療体制については特に調査しました。
候補の病院に実際に足を運び、スタッフの方に話を伺い、「ここなら安心して通えそうだ」と思える場所を見つけました。
車がないと通院が難しいケースもあるため、家族に持病がある方やご高齢の方がいる場合は、この点をしっかり確認することを強くおすすめします。
【まとめ:田舎暮らしには準備が大切】
田舎暮らしには、自然の美しさ、地域の温かさ、時間の豊かさという魅力があります。
ですが、その裏には、虫や寒さ、思わぬ出費、交通や医療の不便さといったリアルな課題も存在します。
特に、人口が減少している地域では、今後さらに厳しい環境になる可能性もあります。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、
出来れば、四季を通じて現地を訪れること。
季節による違いを感じておくことは、大いに役立ちます。
周辺の施設や環境をよく確認することもお忘れなく。
それらを含めて「選んでよかった」と思える、愛おしい暮らしがここにあります。

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